虹の発生過程について

何もなさず、何も感じずに生きられたらどんなにいいことだろう?

外国語で小説を書きたい!

久しぶりにスペイン語の本を音読した。もう勉強し始めて四年経つけど、いまだに聴取ることが鬼門すぎるね。書くことや読むことでしか僕はうまくなれないのだ。正直な話をすると、聴くのってなかなか難しいんだよな…… 日本語を含めて、きりのいい数字で九つく…

中途半端な嘘ほど怖いものはない――徒然草代第73段

世の中で語り伝えられることの現実は面白くないのだろう、大体嘘八百だ。 実際にあったことよりも盛って作り話をするのが人間のサガだが、まして時間が経って誰もが言いたい放題に語り散らし、文章にも書かれると、本当に事実だということになってしまう。 …

後ウマイヤ朝年表

711年 ターリク・イブン・ズィヤード、西ゴートに侵入して、七月十九日にグアダレテの戦いで勝利し、同国をウマイヤ朝に併合する。以降その領土はアンダルスと呼ばれるようになり、太守が統治する 718年 西ゴート王族ペラヨ、コバドンガの戦いで勝利。後世、…

生まれ育った場所を離れたい気持ち

自分が生まれ育った場所に対する愛着って、持つのが普通なんだろうか。確かにそうあるべきだ、と求められるのかもな。故郷とは確かに懐かしいとか安心感とかいったイメージで語られることが多いよ。 でも人にとっては、故郷なんていうものは忌まわしい記憶や…

グラナダ陥落

1492年1月2日、ナスル朝最後の王ボアブディルはグラナダの鍵をカトリック両王に明け渡した。七百年以来続いた征服運動の終末であった。 もっともその百年以上前からスペインのイスラーム勢力はすでに南のごく限られた範囲の自治を認められているに過ぎなかっ…

十字架

ラテン語 cruxギリシア語 stauros 十字架はキリスト教でもっとも使われる図柄であるが、本来これは忌まわしい物以外の何者でもない。よく考えれば処刑の道具だからだ。「もしイエス・キリストが近代に死んでいたら、キリスト教徒は首に電気椅子を提げていた…

アフリカの名称について。あるいは地名というものの言葉あそび

古代のギリシア人は世界を三つに区分した。その一つがヨーロッパであり、一つがアジアであり、一つがアフリカであった。尤もアフリカとはローマ人の言葉であり、ギリシア人自身はそれをリビアと呼んだわけだが。 その区分が驚くことに現在でも変わらず──例え…

アメリカ大陸という、巨大な人工物

アメリカ大陸、と人が言うとき、僕はそれが何と本来存在したものを破壊し、人工的に造られ、成立したものであるか思いを寄せずにはいない。 アメリカなんて名前自体探検家アメリゴ・ヴェスプッチから名付けられたものだ。しかもこの言葉自体、初めは南側の大…

久しぶりに

最近はnoteと小説ばっか書いてたせいでブログはなおざりにしてた。 pv数が173……ね。もっと伸びるんだろうか。なんだか楽しみだ。いや今連載してる長編はもうすぐ5000pv越えようとしてるんだけど、なぜか手ごたえがないんだよな。感想あんまりもらってないか…

リセット癖を乗越えて

僕にはリセット癖がある。これまでも何回となくツイッターのアカウントを消そうとしたり、小説を削除しようと思ってきた。 そして今、再び僕はツイッターをやり直したいと、強く思う。 実際自分が積み上げてきた物を察て、「これが俺の望んだことなのか?」…

大災厄

2040年代から2070年代にかけて世界規模、文明の崩壊の過程で起こった超常現象を総称して呼ぶ名前。 世界史において『古代末期』と言う名前で知られる20世紀末以降は人間のあらゆる叡智が最善の状態に達した時代とされる。しかしこの大災厄がその技術を全て破…

伊東俊太郎「十二世紀ルネサンス」感想

今週のお題「読書の秋」 イスラーム世界の歴史が面白いのは、イスラームという宗教が絶対的に優位を占める社会でありながらその陰にイスラーム以前の宗教がそこに見隠れすることだ。 ヨーロッパではカトリック教会が絶大な権力を持ってそれ以外の宗派を「異…

日本での「他者」観

日本人が日本の歴史を観る時、日本人からの視点があまりにも大きすぎて、しばしば日本以外の地域や民族に出自を持つ人が日本のありようを形づくってきた道程を軽視する傾向がある。 たとえば東京、八重洲という地名はオランダ人の航海士ヤン・ヨーステンに由…

短歌(2018/11/5-2018/11/11)

1 秋はたち 冬に棲処を ゆづるらし あつささむさも 服にてあそぶ 2 誰がために 命をすてて ゆくべきぞ みな死ぬる者 むなしからずや 3 土をはふ もののにくさに うちなげき そうなるくもの 遥けきを恋ふ 4 いにしへの 人と心をかよはする なかだちぞかし ふ…

聖書の呼び方

聖書は英語でbibleと書くが、このbibleは元をさかのぼればラテン語bibliaにさかのぼる。さらにこれは『書物』を意味するギリシア語biblionの複数形。つまり、複数の書物をまとめて呼ぶ名前であり、まさに「書物の中の書物」という思がこめられているのである…

想北國

聞地震時、街燈絶夜盈黑、因作之。 ●○○●●○○地驚途火忽離街○○○○●●◎纖阿潛憂貌杳冥○●●○○●●推戸有風燈耿耿○○○●●○◎遙忘居處拜諸星 【句形】七言絶句、平起、下平9青(冥、星)、踏み落とし。 【大意】大地がゆれうごいた時、道という道の火は街から離れ去ったの…

預言者

prophet 神のお告げを特別に聴き、人々に知らせることを職務とする者。予言者ではない。ヘブライ語ではnabiと呼ぶ。 シャーマンもこれに類するが、特に古代イスラエルに現れた一団を指すことが多い。 部族連盟の時代を経て、ダビデの元に統一された古代イス…

自動車社会って……

最近自動車学校に通っている。もちろん、自動車免許を取得するためだ。自動車にのれるようになれば、移動できる範囲が広がる。自転車じゃ行けない所にも行けるようになる。自動車に乗って旅するのも悪くないような気が、次第に。 何回か技能教習を受けている…

最後の審判とは?

僕が初めて聖書の中身を読んだのは、ある旅行でホテルに泊まった時のこと。 ホテルの棚の中、一冊の英語と日本語の対訳の聖書。ギデオン協会の発行しているものを、僕は見つけた。 物心つく前だから、僕はまだ宗教に関する知識をほとんど持ち合わせていなか…

無神論について

現代では、「私は神を信じていない」という言葉をよく耳にする。日本では特にそうだろうし、ヨーロッパでも最近は宗教離れが著しく、やはり信仰に興味を持たない人間が増えてきているようだ。 しかし、これは現代社会の特徴というべきだ。人類の歴史を観れば…

漢詩「畏天主」

國破人亡天主存微冥豈許易傷言曾聞見濟非人利宗説唯虞其手翻 国破れ人は亡ぬるも天主は存す微冥 豈に傷つき易き言に許さんや曽て聞く 済はるるは人の利とならずと宗は説く 唯だ虞れよ其の手翻へるを 【押韻】十三元(存、言、翻) 【大意】国家は滅びるし人…

音楽の趣味。

僕が中学校にいた頃、給食の時間になるといつも色んな音楽が流れていた。それが学校での一番の楽しみだった。 その中には、今でも僕が音を思い出せるものがたくさんある。悲しいことに、音が思い出せても、題名が分からないというのもやはり多い。それくらい…

宗教の拡大する原因

宗教は政治的あるいは軍事的な出来事が原因で広がってきた。その教義に純粋に感心した人々が増えたことで宗教が栄えたなどという事例は聞いたことがない。アラビア半島から始まったイスラームが徐々に中東一円をのみこんでいったのは、何より預言者ムハンマ…

言語の中の多様性:スペイン語と日本語の比較

スペイン語は僕にとって非常に興味深い言語だ。基礎的な語彙を切り取っても、たとえばhasta(~まで)はアラビア語に由来するし、izquierda(左)はバスク語から。cara(顔)、estómago(腹)など人体にまつわる語彙にもギリシア語が混じっている。 歴史的な…

杉山正明「モンゴル帝国の興亡」感想

歴史を考察する上で、僕にとってモンゴル帝国はどうしても関心を向けざるを得ない国家だ。 ユーラシア大陸の大半を手中に収め、巻き起こった戦争も数知れない。だが、モンゴル帝国は同時に多くの地域を洗練された経済システムによって結びつけ、違う文化間の…

アラブ人名における子称・父称

アラブ人の間では「部族」(qabīla)という概念がイスラーム以前から現代に至るまで重要な言葉。自分がどの部族の血を引いているか、ということが社会での地位にも関わってくる。 血筋が重要だということは、すなわち系図が大きな意味を持ってくることに。 …